帝國篇プレビュー

帝國の建国(前編)

預言者ハーマンの入滅と同じ頃、“風の国”の南方にある川の下流で、一人の妖精シャウネーラ*1が川上から流されてくる駕籠……その中で静かに眠る人間の赤子を拾い上げた。 彼女の友達は人間に関わるのは良くないことだと、シャウネーラにその赤子を再び川に流し…

夢狩りの伝説

話は少し戻り、魔法王国ができる前後の時代のお話。 ある森に1人のとても美しいエルフがいました。 彼女は透き通るような白い肌と、月の光を集めたかのように白く輝く銀髪、翡翠のような深い緑色の瞳を持ち、その姿は森の女神の生き写しのようで、とても繊細…

預言者ハーマンの足跡(後編)

その後、ハーマンとその弟子たちは“風の国”を離れ“火の国”に戻る事にした。 火の国では、以前に対面した時にハーマンに対して怒りをあらわにしたジンの王がその国の領土を広げ、勢力を拡大しており、ハーマンたちが訪れた港町もそのジンの王の支配下に置かれ…

預言者ハーマンの足跡(中編)

ハーマンは“七つの相を持つ神”を信仰する司祭によって治められた街で捕らえられたり、ジンの王の御前で討論をして怒りを買ったりと、さまざまな迫害を受けたために、長らく住んでいた“火の国*1”を離れ、北方にある“風の国*2”へと弟子たちを連れて渡っていっ…

預言者ハーマンの足跡(前編)

“罪深き神”の死から1700年もの間を、信仰する神を持たずに贖罪の罪を背負いながら各地を放浪する人々がいた。彼らは贖罪の民と呼ばれ、再び父たる“罪深き神”がよみがえり、降臨することを願いながら彷徨い続けていた。 彼らの中にハーマンという名の少年…

歴史〜帝國以前〜

“沈黙の冬”の過ぎ去りしあと、さまざまな妖精たちがそれぞれの神を信仰して平和に生きていく時代が2000年続いた。 その平穏に満ち、退屈に飽くような時代に、ある一柱の闇の神がその好奇心から一つの技を見つけ出した。 それは神々が己が子らに“枝のルー…

神話

世界は創造神の「言葉」によって創られた。 神は空を創り、大地を創り、海を創った。そして植物を創り、動物を創り、龍を創り、天使を創った。龍は力ある存在として世界に解き放ち、天使には「言葉」の使い方を教えて世界の運行を司らせた。 ある時、一人の…