シナリオのあり方
結局コンベンションのシナリオですが、自分の中でのある程度の意味づけが出来たので、前テストプレイでやったシナリオを手直ししてやりたいと思います。
まあ、同じシナリオでもMAGEとはということを色々考えた上でやる物語なら、また違った趣になるでしょう。
それで今考えているのは、コンベンションで配布するシナリオ。
コンベンションでやったセッションを文章化して、参加した人に配るという既知外じみた試みを、今回のコンベンションでは行うのです。
そこで僕は、いつもと違った形でシナリオを書きたいと思っています。
そもそも、シナリオの書き方と言うのは皆さんの良く見る形式で正しいのでしょうか?
僕も人様に見せる形でシナリオを書いた経験は何度かあります。その際に気をつけるのはシナリオが外れてしまわないこと。シナリオに書ける内容は有限です。誰がやるかわからない状態で成功させるのには、壊れにくい構造を作り上げ、その中でカタルシスを与える要素を盛り込む必要があります。
話はずれてしまいますが、昔の僕はシナリオを成功させる手段として「感情移入できるヒロインを出して、最終戦闘が盛り上がりさえすれば、そのセッションは成功するよ」なんて事を言ってたこともあります。
今考えると、非常に恥ずかしいことです。
それはともかく、そういうシナリオにおいては、そのような成功する構造を順序だてて、それぞれの対処を細かく(あるいは大雑把に、強引に)書いていく事が必要とされます*1。
しかし、これが正しいシナリオの形なのでしょうか?
僕たちは、自分でGMをするとき、そのようなシナリオを頭の中に描いてTRPGをしているのでしょうか*2?
僕の場合は多分違います。
描きたいシーン、NPCを心に浮かべながら、今回の事件とその経緯と真相を決めて、導入をはじめとしたいくつかのシーンと情報を考えておき、クライマックスと結末へと収束させていく。そんなカンジです。
自分の中の物語の断片と、RPGのゲームとしての展開、その両方を持って卓に向かっているはずなのです。市販シナリオのような行儀良い物語が整然と並んでいるわけではないのです。
だから、僕は決めたのです。
今回のシナリオ、4ページ8000文字には、物語と、ゲームの骨格を書こうと。
小説のような形式でその事件のバックボーンとなる物語を断片的に描き、それによってNPCの個性と考え方、事件の真相、そして物語を包むべき雰囲気を伝えていき、それを元にシナリオの骨格に肉付けをしていく(必要なところはSTが、今まで読み取った物語の中から創り上げる。ただし、流石にそのヒントとなるものは箇条書きに書いておく)、そんな物語を創り出す土台を、僕は書き上げたいのです。
ちょっとこれは難しいかもしれません。
小説まがいの(シナリオにかかわるNPCを描いた)物語の断片と、シナリオとして完成していない骨組みと素材。完成していないものを押し付けやがってと怒る人もいるかもしれません。
だけど、僕が伝えたい物語を本当にやるのには、この形が一番だと、今の時点では思うのです。
だから、この書き方に挑戦してみます。
もしかしたら、このシナリオの構造が幸いして、僕ではない人がまるで自分で考えたシナリオをやるかのように、物語を語ってくれるかもしれません。
やっぱり、これはシナリオとして完成していない、出来ないと言われてしまうかもしれません。
それでも、今まで僕は他のGMを信用していないシナリオを書いてきたから、今度は信用するシナリオを書いてみたい*3。きっと、僕の物語の断片を元に、もっとすごい物語を創り上げてくれるものだと信じて。
ということで、これから頑張って書いていきます。
皆さんの目に触れることもあるかもしれませんが、そのときは笑い飛ばしてやってくださいw
けど、ただ伝わらないと嘆くよりは、自分のやり方を模索したほうがいいだろうから。その挑戦の第一歩ということで見逃してくださいね。
……まあ、最大の問題は、M:tAwのシナリオなんか書いて、それを読んでやろうとする人がいるかどうかだけどw いなかった時はこのシナリオってただの裏設定&サイドストーリーになるのかなw